慢性腰痛のてい鍼治療例を書いてみたよ

岡野浩人です。

ここ数回、てい鍼について個人の主観を垂れ流してきたので、そちらも是非読んでほしい。てい鍼施術の「心地よさ」と「気持ち良さ」 / 接触鍼を使うときの私なりの取穴基準 / 超個人的な接触鍼の使い方と施術方法を垂れ流していきたい。今回は実際の治療例を挙げていきたいと思う。テーマは慢性腰痛。特に2種類の腰痛(寒湿による腰痛と、腎虚による腰痛)について記載していきたい。

寒湿による腰痛

寒湿の停滞により腰部の経絡気血の流れが悪くなって慢性的な腰痛が起こるやつ。腰や下肢が冷えて痛む、とか重だるい。といった訴えがある。寒い時や、気候の変化で痛みが強くなる。この腰痛は、少し動くと軽減して、止まっている時間が長いとこわばる感じがする。下腿部に放散痛がでることがあるんだけど、これがどこに出るかで、施術が若干変わってくる。わかりやすく分けると、委中と、陽陵泉を押してどっちが反応が強いとみとくといい。陽気を強めて、寒湿の除去を図ること、そして経脈の通りを良くして、気血の運行を改善する必要なんだけど、委中に反応があれば太陽経(膀胱経)、陽陵泉に反応があれば小陽経(胆経)にアプローチしているといい。

腎虚による腰痛

腎虚=腰痛、腰下肢痛、って学校でも結構出てくるし、臨床でも出会うことが多い(特に訪問だと高確率で出会う)ので、イメージはつきやすいと思う。慢性的な腰や下肢のダルさや、無力感、鈍痛がみられる。腎虚の腰痛は、疲れると痛みが増し、横になると軽減する。あ、自分だ。って人もいるんじゃないかな。特に訪問では、全身の虚弱症状がみられる患者様に出会うのではないだろうか。腎を補って、経絡気血の運行を改善する必要があるので、足太陽経(膀胱経)と、足少陰経(腎経)にアプローチするといいかな。

実際にやること

まず、どちらも共通して足太陽膀胱経へのアプローチが必要になる。これは、症状が腰部にあるので、わかりやすいと思う。背部から腰部まで、手を当ててさすってみると、ザラつくところと、流れが止まるところがある。ここにローラー鍼や、てい鍼をあてながら、手がスムーズに進むまで施術を行ってみよう。私は、最初はローラー鍼を使って広範囲にアプローチして、施術範囲を絞っていくにつれて、てい鍼を使う。というイメージを持っている。ポイントを絞ると、どのタイプでも腰部では、腎兪、大腸兪に反応が出ることがある。ここにてい鍼をゆっくり当てると、フレアが出ることも。

【寒湿による腰痛で、委中に反応がある場合】

腎兪ー大腸兪の間の流れが悪いことが多いの、ここにスポット的にローラー鍼を「当てるか、てい鍼で散鍼していくと、流れがよくなるのがわかる。そのあとは、膀胱経に沿って、左手で軽擦をしながら、流れが悪いとことに接触鍼をあてていく。委中や崑崙はてい鍼のピンポイント施術ポイントかなと。

【寒湿による腰痛で、陽陵泉に反応がある場合】

腎兪ー至室ー京門ー帯脈の流れが悪いことが多いので、同じくローラー鍼やてい鍼を当てていくと改善が見られる。あとは、胆経に沿って、左手で軽擦をしながら、流れが悪いとことに接触鍼をあてていく。陽陵泉や飛陽は、ピンポイントでてい鍼を当てることが多い。

【腎虚による腰痛】

腎兪ー至室ー京門ー帯脈の流れが悪さと、腎兪ー大腸兪の間の流れが悪さの両方を感じることが多い。もちろんどちらもアプローチする。下肢の施術は膀胱経に沿って、下腿下部までいったら、腎経に沿って近位に戻ってくるイメージで、左手で軽擦する。流れが悪いところは接触鍼。「太渓」はマストで施術ポイントなので意識してみよう。失眠、三陰交に反応が出るときもあるので、注意してみるといいかも。失眠は母子で圧迫してみてほしい。

教科書に書いてあるよ

私の治療は「東洋医学臨床論(はりきゅう編)」をベースにしているので、こうした内容は教科書にかいてある。教科書は役に立たない、という鍼灸師さんもいるみたいだけど、そんなことない。こうして実際に臨床で役になっているし、効果も出ている。これを機会に是非教科書を見開いてほしいなと思う。そして、施術を重ねていくと、各患者様ごとの「クセ」みたいなものがみえてくるので、それに合わせて自分なりのアレンジングをしていくといいのかな。何にせよ、これをやったから良くなる、こうしたら治る、というものではなく、各患者をよく診察して、評価して、施術を行った反応を確認して、検証していくことが重要だということを忘れないでほしい。まずは身近な人に、接触鍼の施術を行ってみて、反応を確認してみよう。

てい鍼ワークショップに参加します。
私自身も、もう少してい鍼と向き合ってみたいので、和歌山の蓬庵様の主催するてい鍼作りのワークショップに参加してみることにしました。関連のクラウドファンディングPolcaも立ち上げ、多くの方に今回のワークショプ参加をご支援いただいております。またワークショップ後のてい鍼体験会の開催などひ広がりを見せています。活動にご支援いただけますと幸いです。ご支援はこちらから よろしくお願いいたします。