【お灸フェス】で落語をきいて感じた「質の良い治療を受けたときのあの感じ」

岡野浩人です。

両国の江島杉山神社で行われた「お灸フェス」に参加してきました。

東京都鍼灸師会青年部の主催のこの会は、お灸を身近に感じて欲しいと、地域でも健康祈願の方が訪れる神社の本殿で行われる雰囲気あるイベントです。一般の方、鍼灸師、そして鍼灸学生と、会場は満員の盛り上がり。落語や、鍼灸講話、お灸体験という流れを、日本鍼灸所縁の場所で行うというこのイベントを通して、個人的に様々な気持ちが駆け巡ったのでお伝えします。

「言葉」がつくり出す空間と時間

我々鍼灸師、マッサージ師の空間づくりというと「治療院」が想像しやすいのかもしれません。しかし、私のように訪問で鍼灸マッサージを行なっていると、患者様のお宅が治療の場所となります。患者様からすると、いつも慣れ親しんでいる空間。そこで治療を受ける安心感はあると思いますが、同時に「治療をおこなっている」ことを意識していただく必要もあります。私は、伺うその時間だけ「見慣れた空間」を、違和感なく「治療室」に変える意識を持っています。

今回、落語を披露してくださった立川平林氏の演目を聞き、「ああ、理想はこの感じだ・・・」と感じている自分がいました。それは、落語を聴きながら、自分が彼のフィールドに引き込まれる感じ、会場が彼惹きつけられる感じ、そして、彼が話している間だけに感じる独特の雰囲気。これらが、治療時に作り出したい理想の状態に近いものがありました。実際に、自分が話を聴きながら、鍼灸師マッサージ師の治療を受けているときに感じるものと、同じような感覚を持ちました。

立川平林氏の落語は、「一方的な提供」ではなく、場の状況をみながら、対話し、探り、掴み、そして私の思考に彼の言葉を巡らせ、そして展開して行く。これは治療時に感じる「コミュニケーション」と似ているんじゃないかな。確かにメインで話しているのは彼なんだけど、「対話」をしているような不思議な感覚。そしてオチを迎えた時の、スッとして、気持ちと身体がフワッと和む感覚。

やっぱり似ている。満足度の高い治療の時と。

「施術」がつくりだす空間と時間

落語家さんはお話の達人です。私が同じレベルで話そうなんてのはおこがましいですが、しかし治療において、同じような空間や時間を作ることはできるように思っています。施術を通して、患者様とコミュニケーションすることで、落語を聞いている時のあのなんとも言えないリラックスした感じ、オチにたどり着いた時の満足感。そして余韻。治療家は、普段の施術で、これらを作り出せていると思うんです。

患者様のお宅でも、治療院でも、これは変わりないのではないのかもしれません。この空間と時間を作り出せる先生が「評判のいい先生」なんだと思います。「満足度の高い施術」なんだと思います。

「お互い」が作り出す空間と時間

落語も施術も、「お互い」に「相手」がいます。どちらか片方からの一方通行では良い空間と時間を作り出すことはできないと思っています。「会話」に限らず、双方が何かしらの方法でコミュニケーションして、一緒にその空間と時間を作り出すことが大事なんじゃないでしょうか。

鍼灸師としてだけでなく、人として常にそうした意識を持てる人間でありたいなと思います。

 

鍼灸師向けのキャリア相談、開業相談は

こちらからご連絡ください。